声の出る仕組み【シンプルに説明します】
新米シンガー「声はどうやって作られるんだろう?仕組みがわかれば自分の発声がもっとよくなるかもしれない。」
とお悩みの方はいませんか? そんな疑問にお答えします。
本記事の内容
- 声が出るという現象
- 体の中で起こったことが声になる
- 地声筋、裏声筋
この記事を書いているボクは、プロとして25年メジャーと仕事を継続していて
最近はボイトレスクールも経営しています。
体の中で起こったことが声になる
シンプルに発声の仕組みを説明します
解剖学的にも音声学的にも深い内容なので、ここでは簡単に説明します。
まず声とは
言葉としての声 → 舌や唇を含む口の空間で作られる
に分けられます。喉頭原音が言葉に変化します。
声帯とは喉にある体の器官で下記のような形です。
Wikipediaより引用
左が呼吸時、右が発声時の動きです。
声帯で作られる原音とは
声を出そうとすると
- 左右の声帯が真ん中に寄ってくる
- 肺からの息が声帯の隙間を通り口へ向かう
- ベルヌーイの定理で声帯が閉じる
- しかし吐く息の圧力で声帯が開く
この2〜4を繰り返します。
この現象が起こると空気が振動して音が出るんです!
(ハーモニカなどと同じ構造)
この声帯の振動はとても早く、特殊なカメラでないと撮ることができません。
例えば、A4(ラの音)を出すのには1秒間に440回も振動するんです。
声帯の間を息が通ることで、2枚の声帯が引き寄せられるのです!
言葉としての声とは
先ほどの声帯で作られた原音はブザーのような音と言われてます。
その音が口を通過するときに、どのように言葉になるか説明します。
例えば
- ア → 舌が下がっていて、平らに近い
- オ → 舌は少し持ち上がる、口の形は丸い
- パ → 唇を閉じ、息で破裂させるように
- マ → 鼻に響かすようにする
などのように、口の中の形を変えることで言葉になります。
体の中で起こったことが声になる
例えば
ことで歌が成立しています。
全て、体の中で起こった現象です。
歌がうまいかどうかは才能ではなく、この現象を正しく再現できているか?
がボイトレの観点からみると大事になります。
上手く体と付き合うことがポイント
私たちの体は内臓や皮膚など他にも多くのパーツでできています。このパーツは同じような構成です。でも、
人は舌が長かったり、顎が小さかったり(僕はこれです)それぞれ体つきは違います。声の仕組みを知り、自分の体を知ることが大切です。
そして大事なのはそれぞれに「良いも悪い」も「正解も間違い」もないです。どれも個性的で魅力的なサウンドだということです。
地声筋、裏声筋
それぞれ、難しい名前がありますがトレーナーや医療に携わらないのであれば
「地声筋と裏声筋」があるんだなと考えてください。
さて、同じ声でも地声(チェストボイス)と裏声(ヘッドボイス)があります。
声帯を振動させ、口の形で言葉を作ったら次はどちらかの声を使います。
チェストボイス(地声)→ 声帯が厚く合わさり波打つように振動している
この声帯の動きと同時にそれぞれの筋肉が優位に働くことで「地声や裏声」が発声されています。それだけです。
筋肉を動かすのは無理
意識的に筋肉を動かそうとするのは難しく、出てくる音声を聞いたり、経験から喉の感覚で優位に動いている筋肉を感じるしかありません。
また、それぞれの筋肉は
地声筋、裏声筋の2つのバランスをとっていくとミックスボイスといわれる間の音が発声できます。